※こちらは天気の子についてのネタバレを含みますので見てない方はブラウザバック推奨です。
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早速ですが天気の子を観ました。
他の方の感想を見ているとかなり賛否両論あって感想を見てるだけでも楽しいです。私の感想を言うのであれば
ですかね。作品全体で言うのであれば良作と言える部類であるので見て損はないと思います。
まずは
新海誠らしいとは
について。
まずこれを説明するにあたって君の名は。の話が必要である。この作品は新海誠らしくない作品であると言える。新海誠という男は序中盤をテンプレ的に進めず捻くり回す性癖があるのだが君の名は。は序中盤の展開が真っ直ぐに王道で進むが故に新海誠らしくないのである。さらに新海誠作品はジャンルが明確に決まっていないのも特徴であるが君の名は。はサスペンスと明確に決まっている点についても同様に新海誠っぽくない。ただし締めを曖昧にして結末を書かないという点については新海誠であったが。今作、天気の子はこの逆で序中盤を捻くり回していて新海誠らしいなと感じたが終盤をかなりはっきり書いていたためその点においては新海誠らしくなかった。しかしこの作品を見てもらった方にはわかると思いますが天気の子と似たような作品があったと思いません?
…はい。私的に天気の子という作品の捉え方が
書きすぎた言の葉の庭
である。上記で述べた書きすぎはよくないという点。どうして書きすぎがよくないのか。個人な意見になりますが、ずばり
演出と合わないから
である。新海誠という男は演出家なのである。彼が演出家であるという理由はこちらを見ればわかってもらえるだろう
ef -the latter tale Opening Movie - YouTube
演出というのは情報量が少なければ少ないほど映えるのである。特に自然の演出を得意とする彼の演出というものは淡いものと言えるだろう。描写描写で情報を書きすぎると表現と演出との齟齬が生まれてしまう。今作は空と水というワイドでマイルドなものの表現だったため最後まで書きすぎたために狭く終わってしまい一貫性がないように思えた。
簡単に例えるならばカメラをズームすると写真がボケやすくなるよねということである。
次に
ミュージカルである
という点について。これは前回君の名は。から言えることなのですが、劇中歌多い。君の名は。についてはRADWIMPSのみが歌っていたためRADWIMPSのMV的であった君の名は。
それが今作ではRADWIMPSじゃない人も歌っていたためにミュージカルだなと感じた。曲は相変わらずクオリティが高いので応援上映があったらぜひとも歌いたい。
音楽は演出の一つなのでRADWIMPSを起用した新海誠という男はやはり天才なのかもしれないと思わせる。
○まとめ
いかがだったでしょうか。新海誠という人は恐らく演出によって凡作を秀作に変える天才なのだなと感じた。ただ今作は若干表現とストーリー展開に齟齬が発生していたためにあまり評価されづらいだろうなと思いました。さらに言うなれば彼は長編アニメーション向きでないとも感じた。彼の演出の表現技法が自然的で淡いものであるため書けすぎてしまう作品を作るには音楽で尺を作るしかないのだろうなと。今回も書きすぎてる印象があった。
彼はポスト宮崎駿と巷では揶揄されているようだが彼はストーリーを書く才能に恵まれている訳ではないため彼を比較するなら同じ演出によってエヴァンゲリオンという作品を生み出した庵野秀明であるように思う。しかし庵野秀明という人は人工的であるのに対して新海誠は自然的であるため比較はつけれないが。
そのためこの作品には
エヴァンゲリオン
を感じたのだろう。
といった感じで〆とします
ここまで読んでくださった方はありがとうございます。
P.S)全然ネタバレらしいことしてないやんけ!ってなったのでネタバレ的なことを
私的には陽菜が巫女としての役目を遂行する終わり方のが良かったのになぁと思いました。結局何も変わらないし都合の良い話すぎるなと思ったため。しかしBADEND系はあまり大衆受けしないため既存のストーリーと尺のままにするのであればやはり音楽をもう一つくらい作って物語の尺自体を短くして陽菜連れ戻したところで"僕たちはまた世界の色を変えてしまったんだ"的な終わり方がベストなのかなぁとも思ったり。締め方が新海誠の起承転結の結の前で止めるというのでなくてとても後味が悪いのが率直な感想である。
でも主観的HAPPYENDで終わるのは他人に言わせてみればBADENDだからまぁBADEND寄りって解釈でいいのかな。それにしても後半の詰め方がなんとも都合よく物事が流れすぎて首を傾げる展開だった。それでもまぁ良作の部類に収まってるのはやはり演出家がいいからであろうな。